中学生が美術の授業でよく取り組むのが、空想画の制作です。
この独特な絵の描き方に、困っている生徒や保護者の方も多いでしょう。
そこで、空想画を描く際に役立つヒントを紹介します。
空想画とは何か?
空想画とは、創造力を活かして描く絵のことです。
現実にはないものや、経験していない事象を想像力で描き出します。
基本的に描き方にルールはありません。
しかし、この自由さが逆に生徒たちを戸惑わせることもあります。空想画は自由に描けるのです。
よくある誤解は、空想画は幻想的で芸術的でなければならないということです。
しかし、実際にはそうした制約はなく、作品が芸術としてどう評価されるかは、見る人の感覚によります。
他人と異なる作品が生まれても、それはその人独自の空想画として正しいのです。
それでも、描き始めるためのきっかけが必要な人もいます。
空想画の創作に役立つ思考法とは?
空想画を創作する際には、いくつかの有効な思考法があります。
これらは創作の初期段階で特に役立ち、作画する際にはこれらの方法を基に、自由な発想で想像を広げていくことが重要です。
置換えを用いる
空想画を描く際には、現実にはないシーンを想像することが一つの方法です。
例えば、人間が普段行う行動を動物や他の生物が行っているようなシーンを描くことができます。
犬が料理をしたり、学校に通うようなシーンは、空想画として魅力的です。
また、音の置換えも面白いアプローチです。
例えば、「雨」を「飴」に変えたり、「橋」を「箸」に見立てるなど、現実には存在しないものを描くことで、ユニークな空想画のアイディアが生まれます。
既存の物語を用いた置換えも効果的です。
例として、桃太郎の物語で、お供や桃太郎自身を異なる動物や物に置き換えてみることで、新しい視点からの物語を描くことができます。
異なる要素の組み合わせ
異なる要素を組み合わせるというのは、普段は考えもしないような物同士を一緒にすることです。
たとえば、洗濯機で野菜を洗う、スイカでサッカーをするなど、普通では思いつかないアイテムを使ったシーンを想像の絵として描くことができます。
さらに、異なる要素を組み合わせることで、まったく新しい作品を生み出すこともできます。
飛ぶリュックサックのような便利なアイテムを考えて、それを絵にするのも楽しいでしょう。
色彩の変更
現実の世界では、物体にはそれぞれ特有の色があります。
しかし、普段とは違う色を使うことで、空想の世界を表現することができます。
ただし、色をランダムに変えるよりも、色彩に一貫性を持たせた方が、視覚的に魅力的になることがあります。
例えば、全ての色が反対になった世界、濃い色が薄く、薄い色が濃くなった世界、パステルカラーで統一された世界などが考えられます。
変更する対象は風景画でも、並べられた果物でも何でも良いでしょう。
空間の変更
この3つのアイデアは、物体そのものを変えるのではなく、空間を変化させることで、空想的な画を創り出すことができます。
たとえば、建物や人物が普通である一方で、空がピンク色、雲が黄色い世界や、紫色の海に魚が泳ぐ景色などが想像できます。
空間は一色に限らず、現実離れした多彩な空間も表現の対象となります。
例えば、様々な図形で装飾された背景に、同じ形をした野菜や果物が並べられた絵など、多様な作品が考えられます。
創作プロセスの始まり
創作活動を始めるにあたり、実際にペンを取る前に、さまざまなものを観察することは、アイデアを刺激するために非常に重要です。
これは単なる思考過程ではなく、実際の準備作業として捉えるべきです。
この段階で、他人が描いた空想画を参考にするのも良い方法です。
しかし、それだけでなく、図鑑を見たり、インターネットで多様な画像を検索したりすることも、想像力を豊かにするのに役立ちます。
空想画に固執しすぎると、時にはアイデアが浮かばなくなることもあります。
そんな時は、気軽に様々な情報を眺めて、新たなインスピレーションを得る試みも有効です。
中学生のための空想画ガイドのまとめ
空想画を描く際のアドバイスは役立ちましたか?
人それぞれ、ルールに従って作業するのが得意な人もいれば、自由な環境でのほうが能力を発揮する人もいます。
絵を描くのが難しいと感じる時、空想すること自体も困難になることがあります。
ですから、まずは心を落ち着けて、空想力を伸ばすことに焦点を当てましょう。